2024年の世界はどうなるのか 各地の衝突、緊張の行方
2024年がいよいよ始まった。今年の世界情勢はどのような地殻変動を我々にもたらすのか。ウクライナや台湾、イスラエルなど世界各地では依然として衝突や緊張が続いている。ここではいくつかのポイントを紹介したい。
◆台湾総統選挙後の中台関係とアメリカ
まず、1月に台湾では次の指導者を選ぶ総統選挙が行われる。現時点で蔡英文政権の政策を継承する候補者が有利な状況にあるが、中国との関係を重視する国民党候補者もこのところ支持を伸ばしており、選挙戦が白熱化している。
現時点で明らかなのは、民進党政権がさらに4年間続くことになれば、これまでの不安定な中台関係が続くことになり、台湾は中国から軍事的威嚇や経済的威圧を受けるだろう。一方、国民党政権となればこれまでの緊張が和らぐことになるが、アメリカや日本は中国に接近する台湾への懸念を抱くことになるだろう。しかし、どちらの政権になってもすぐに有事リスクが高まるわけではない。習政権もそれで失敗は許されず、現時点で中国軍に侵攻を円滑に進められる能力は整備されていないとの見方が有力だ。
◆バイデン政権にとって重荷となるウクライナとイスラエル
そして、バイデン政権にとってウクライナとイスラエルが外交的重荷となりつつある。ウクライナ侵攻直後から、アメリカは諸外国を主導する形でウクライナへの軍事支援を行ってきたが、侵攻から間もなく2年となり、ロシアは依然として東部や南部を占領するなか、支援疲れが顕著になっている。すでにウクライナ支援はアメリカ国民から支持される政策ではなくなっており、支援継続は秋の大統領選挙にも影響を与える恐れがある。トランプがこれを批判することは目に見えている。
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