悪化する日中関係 歯止めはかけられるのか

Andy Wong / AP Photo

◆日本企業にとって中国はいっそう難しい選択肢となる
 また、これによって中国国内では反日感情が高まり、ネット上では日本製品の不買運動を呼びかける動きが広がった。反政権的な都合の悪いメッセージや動画はすぐに削除されるものの、反日的なトピックはまったく削除されておらず、これは中国政府が事実上容認している。そして、中国各地にある日本人学校や大使館、領事館には石や卵が投げ込まれ、現地にいる日本人の安全が危惧される事態となっている。改正反スパイ法や貿易摩擦なども相まって、日本企業にとって中国ビジネスはいっそう難しい選択肢となっている。

◆悪化する日中関係 歯止めはかけられるのか
 今後日中関係の悪化に歯止めはかけられるのだろうか。無論、双方ともそうならないよう最大限の外交努力を今後ともしていくことになる。だが、政治力学の変化を止めることはできない。日本が直面する地政学リスクは肥大化する一方で、対話をしてもそれは「日々高まる緊張をいかに抑えるか」というもので、関係が改善、友好に向かうものではない。それに従えば、日本企業にとって中国ビジネスがいっそう難しいものになることは避けられないだろう。今後も日中間では貿易摩擦が拡大していくものとみられる。

Text by 本田英寿