◆尹大統領はグローバル・コリアを目指すのか
　イギリスは2021年3月、欧州連合（EU）から離脱後の国家ビジョンを記した戦略報告書「Integrated Review」を発表し、その中でグローバル・ブリテンという概念を打ち出した。これは、イギリスが新たにインド太平洋に戦略的重心を移し、同盟国や友好国との政治、経済的な結びつきを強化し、インド太平洋地域から形成される新たな秩序作りに関与することを意味する。

　これとまったく同じというわけではないが、これまでの尹大統領の姿勢や戦略をみてくると、グローバル・ブリテンのようなグローバル・コリアを目指しているかのように映る。NATO首脳会合やG7だけでなく、今後は日米豪印4ヶ国の協力枠組み「クアッド」にも韓国が関与してくる可能性が極めて高く、尹大統領がクアッド首脳会合に参加する姿を見るのはそう遠くないのかもしれない。韓国が今後どうような道を歩むのかはわからないが、グローバル・コリアの韓国は少なくとも日本にとっては重要なパートナーとなることは間違いない。