習政権 異例の3期目で日中関係は悪化か 国民の不満のなか「神格化」強化へ
5年に1度の共産党大会が16日から始まったなか、習近平総書記(国家主席)はこの5年間の共産党政権の成果を2時間あまりにわたって演説した。そのなかで、習氏は台湾をめぐり、「祖国の完全な統一は必ず実現しなければならないし、必ず実現できる」と強い意欲を示し、「平和的な統一を堅持するが決して武力行使を放棄しない」と警告した。また、「社会主義現代化強国の完成を実現し、中華民族の偉大な復興を推進する」とし、建国から100年となる今世紀半ばまでに米国を超える強国を建設するという目標を重ねて強調した。
この台湾や米国を念頭に置いた習氏の発言は、これまでも示されてきたことであり真新しいものではない。だが、中国は確実に経済力を武器に対外的影響力を拡大しており、台湾独立阻止を狙った武力行使、米国を超えるというビジョンは以前より現実味を帯びてきている。それらが実現できるかどうかは別として、異例の3期目となる習体制はこれまで以上に難題に直面する可能性があり、それによって日中関係が悪化する恐れがある。
◆党大会直前にまさかの抗議行動
それをうかがわせる出来事が共産党大会開幕の直前に起こった。党大会開幕を目前にした13日、北京市北西部の高架橋で「検査ではなく食料を。規制ではなく自由を。嘘ではなく尊厳を。文化大革命ではなく改革を。領袖ではなく投票を。我々は奴隷ではなく市民である」などと赤い文字で書かれた横断幕が掲げられ、その画像や映像がSNS上に出回った。
現場からは黒煙が立ち上り、男性が拡声器でスローガンを叫ぶ声も確認された。その後現場に警察が到着し、動画も削除されたが、3期目となる習体制の抗議行動がこのタイミングで行われることは極めて異例である。
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