ウクライナ、「親友」ジョンソン英首相の辞任に心痛 「ウクライナ首相になって」嘆願も

ジョンソン首相とゼレンスキー大統領(6月17日)|Ukrainian Presidential Press Office via AP

 イギリスのジョンソン首相が7月7日に辞意を表明したが、このニュースに落胆したのがウクライナのゼレンスキー大統領だ。ロシアに対し断固とした姿勢を示してきたジョンソン氏のウクライナでの人気は高く、ゼレンスキー氏とはブロマンスと言われるほどの親密な関係を築いている。次期英首相が誰になってもこれまで以上のサポートは期待できないという見方もあり、ウクライナはジョンソン氏退任後を心配している。

◆崇拝に価する? 市民からラブコールも
 ジョンソン氏はこれまでいくつものスキャンダルや問題発言で批判を受けながらも首相の座を維持してきたが、閣僚の大量離脱をきっかけに、ついに辞任を発表した。しかし国内での不人気とは裏腹に、キーウでは崇拝されるカルト的存在となっており、一部の地元民が親しみを込めて「ジョンソニーク」と呼ぶ同氏の似顔絵が、絵画や壁画、さらにはケーキにまで描かれているという。(ロイター

 人気を証明したのが、ジョンソン氏にウクライナ国籍を与えて首相にしようという嘆願だ。ウクライナの公式サイトに掲載され、数時間で2500人以上の署名が集まった。ウクライナの憲法上、この嘆願の達成は憲法上不可能だが、2万5000人の署名が集まれば大統領は公式に回答する義務がある。(同)

Text by 山川 真智子