重く残るウクライナの環境汚染 戦後、ロシアに責任を問えるか?

ロシア軍の攻撃により立ち上る黒煙(オデーサ、7月16日)|Nina Lyashonok / AP Photo

 ロシアの戦闘行為が、ウクライナの環境に深刻な被害をもたらしている。爆撃を受けた工場などから漏れ出した化学物質が大気、土壌、水質汚染を引き起こし、インフラ関連施設の破壊による衛生環境の悪化も問題化している。戦争が終結した際、この責任をロシアに問えるかどうかが議論されている。

◆工業関連施設狙う 大気汚染で健康被害
 ロシアによる侵攻が始まった当時ウクライナの環境保護・天然資源担当副大臣だったイリーナ・スタブチュク氏によれば、ソ連時代に工業の中心地であったウクライナには公害を出す工場が多い。その近代化が進行しているなか、ロシアの攻撃によって工業関連の施設が破壊され、産業災害が引き起こされた。4月にはドンバス地方のルハンスクで4トンの硝酸が入ったタンクが破壊された。石油備蓄基地への攻撃もあり、深刻な環境汚染(とくに大気汚染)につながったと見られる。(科学誌サイエンティフィック・アメリカン

 攻撃に使われる巡航ミサイル1発には最大1.5トンの燃料が使われており、長期使用を可能にするため有害物質が添加されている。ロケットが飛べばそれらが大気中に放出され、吸い込んだ人々の健康を害することになる。ロシア軍は2月24日以降、3000発以上を発射した。(ニュースサイト『オデーサ・ジャーナル』)

Text by 山川 真智子