フィンランド、スウェーデンのNATO加盟、トルコが拒否? 「前向きでない」理由とは
◆「扉は閉ざされていない」
NATO加盟には既存メンバー国の全会一致による承認が必要となる。トルコは加入を認める条件として、ことスウェーデンによるPKKとの関わり方に関し、一定の対応を条件とする可能性がある。カリン大統領報道官はロイターの取材に対し、「我々は扉を閉ざしているわけではない。しかし端的に言ってこの問題を、トルコの国家安全保障上の問題として提起しているのだ」と語った。
トルコのメヴリュット・チャヴシュオール外相は15日、2ヶ国への要求事項を明らかにした。ドイツの放送局ドイチェ・ヴェレ(5月15日)によると、外相は各国におけるテロリストの支援を停止し、明確な安全を保証し、かつトルコへの禁輸措置を解除することを条件に挙げている。
◆スピード加盟に冷や水
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、北欧2ヶ国の加盟手続きは異例の速さで進むとみられる。英フィナンシャル・タイムズ紙(5月15日)は「加盟により機構(NATO)がロシアと接する国境は倍増し、ヨーロッパにおける地政学を変える」と論じる。「ウラジミール・プーチンによるウクライナ侵攻の予想だにしない結果を浮き彫りにする」動きだと同紙は述べる。
しかし、トルコの条件づけは迅速な加盟に水を差しかねない。カタールのアルジャジーラによると、チャヴシュオール外相はPKKを「我々の軍を日々攻撃してきたテロ組織」だとし、その支援国がNATO入りすることは「容認できず、許しがたい」とし拒否感を示している。
一方、フィナンシャル・タイムズ紙によると、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は「トルコは加盟を妨害する意図はないと明言した」と述べている。あくまで一国としての利害を明確に主張する意図だったとみられるが、急ピッチで進む加盟への影響が注目される。
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