ウクライナ危機で日本・欧州関係が新たな局面へ ロシア寄り中国とは関係再考も

ドイツのショルツ首相(左)と岸田首相(4月28日)|Shuji Kajiyama / AP Photo

 ロシアによるウクライナ侵攻以降、日欧のつながりが以前にも増して強固になっている。これまで重視していた中国との絆を見直す動きが出始めた。

◆緊密化する日欧連携
 日本重視の姿勢は、欧州リーダーの相次ぐ訪日に顕著に現れている。ドイツのオラフ・ショルツ首相は、就任後初のアジア訪問先として日本を選んだ。米ポリティコ誌の欧州版(5月1日)によると、ショルツ氏自身がこの選択を「偶然ではない」と語っている。このほか、欧州連合(EU)のシャルル・ミシェル欧州理事会議長とウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長は、12日に東京で開催される日EU定期首脳協議に出席する予定だ。

 米超党派組織の外交問題評議会(4月29日)は、NATOとの連携という観点から日本と欧米との関係の深化を論じている。日本の林外相は、岸田首相が4月のG7首脳会合に出席した1週間後、NATO首脳会議に参加した。アメリカが主導する欧州の同盟の「パートナー」との位置づけで参加しており、これは「日本にとって初めてのことであった」と記事は指摘する。6月のNATO首脳会合にも岸田首相が参加の見通しとなっており、日欧の関係は従来よりも一段と強固になりつつある。

Text by 青葉やまと