豪が原潜建造へ、英米が協力 契約破棄された仏が不満表明

米海軍のバージニア級原潜の13番艦イリノイ(9月13日)|Mass Communication Specialist 1st Class Michael B. Zingaro / U.S. Navy via AP

 アメリカ、イギリス、オーストラリアは、新たな防衛協力を行うことを表明し、その一環として英米が協力して豪原子力潜水艦の建造を行う計画であることを発表した。実は豪潜水艦建造計画は、過去に数ヶ国が受注競争を繰り広げ、本命視されていた日本を破ってフランスが受注している。今回の発表で契約の打ち切りは確実となり、フランス側は大きな不満を示している。

◆中国意識で技術供与 米、インド太平洋地域への関与を強化
 バイデン米大統領、ジョンソン英首相、モリソン豪首相は揃ってバーチャル会見に登場。AUKUSと名付けた3ヶ国による新たな安全保障の枠組みを発表し、インド太平洋地域における共通の価値観や地域の平和と安定を確保する必要性について語った。3人の誰も中国の名を口にしなかったが、この枠組みは明らかに中国の脅威を意識したものだ。ロイターによれば、中国の在米大使館は、各国は「第三国を標的にし、その利益を害するような排他的ブロックを構築すべきではない」と反論している。

 会見では、英米の力を借りてオーストラリアが原子力潜水艦を建造することも発表された。米公共ラジオ網NPRによれば、3ヶ国は1年半かけて豪海軍の目的に合った最良の方法を決定する。作られる原潜は原子力を動力に使用するが、核兵器を積むわけではないことが強調された。

 アメリカが重要機密である自国の潜水艦の推進技術を他国と共有するのは、1958年のイギリス以来だという。バイデン大統領は、原潜を保有する国は世界でも一握りであり、この並外れた能力を手に入れることは、どの国にとっても重要な決断だと述べた。モリソン首相は、原潜は国内のアデレードで建造されると国産を強調。イギリスもこのプロジェクトが自国の雇用を長期にわたって創出してくれると期待している。(NPR)

Text by 山川 真智子