タリバンはテロ組織と断絶できるのか 第2次政権の行方

ジャーナリストと握手するタリバン報道官(8月17日)|Rahmat Gul / AP Photo

◆アフガニスタンにいるとされるアルカイダ、関連組織
 国連の調査結果によると、アフガニスタンは依然としてアルカイダのメンバーが400人から600人、ETIMのメンバーが500人、インド亜大陸のアルカイダ(AQIS)のメンバーが150人から200人ほどいると指摘されるが、テロ組織との関係断絶は決して簡単ではない。この問題においては、我々は組織単位で分けて物事を考えないことが重要となる。仮に、タリバンがアルカイダとの関係断絶を発表したとしても、タリバンとアルカイダは私的な関係を含め長年協力関係にあり、なかにはアルカイダ戦闘員とタリバンの家族内で結婚が進む「intermarriage」もあるとみられ(子供の誕生も含み)、タリバンとアルカイダとの関係断絶が家族関係の断絶を意味する場合もあり得る。また、タリバンがアルカイダとの関係断絶を発表すれば、アルカイダ戦闘員と緊密な関係にあるタリバン戦闘員が上層部に反発してアルカイダに流れることも考えられ、両者の関係断絶は米国や中国などが望むものにならない可能性がある。

 この問題は、今後のタリバン下のアフガニスタン情勢をめぐって大きなポイントになることだろう。

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Text by 和田大樹