続くテロ事件 依然消え去っていないイスラム国の動き

IS戦闘員の妻子らが収容されているアルホル難民キャンプ|Baderkhan Ahmad / AP Photo

◆イスラム国を支持する地域的な武装勢力
 また、イスラム国が依然として影響力を持つのはイラクやシリアに限ったものではない。たとえば、欧米の専門家が集計した統計によると、今年のラマダンの期間において、イスラム国とその関連組織が声明を出したテロ事件は合計で343件となり、昨年の383件から減少した。ちなみに、2018年は258件、2019年は358件だった。また、今年の343件のうち、最も多かった発生場所はイラクで186件となり、以下、シリアで72件、アフガニスタンで34件、ナイジェリアで20件、コンゴ民主共和国で13件、ニジェールで6件、エジプトで5件、チャド、インド、パキスタンでそれぞれ2件、カメルーンで1件となった。

 当然ながら、各地域のイスラム国支持組織のメンバーたちの多くは現地人(外国人戦闘員もいる)であるが、ネットやSNS上では依然としてイスラム国関連の画像やメッセージなどを配信し、関連組織が相互に士気を高め合っている。

 日本のメディア報道を基本にしていると、こういった情報は決して入ってこない。しかし、海外進出企業や海外邦人の数が増加している今日においては、治安や安全保障に関するインテリジェンスを掴むことが重要になる。

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Text by 和田大樹