今後占う米中高官の直接会談、ポイントは? バイデン政権発足後初

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◆両国の接近は見られない
 だが、バイデン政権の発足以降、バイデン大統領やブリンケン国務長官など政府高官たちは中国へ対抗していく姿勢を強調し、王毅外相も3月の全人代で米国を痛烈に批判しており、今回の会談で両国の接近は考えにくい。むしろ、米国は米国の言い分を、中国は中国の言い分を主張していくことは目に見えており、会談が終わっても溝は深いままであろう。

 米国側は2月に施行された海警法など中国の海洋覇権、香港や新疆ウイグルでの人権問題などで中国に遠慮なく迫っていくだろうが、中国側もそれは国際法に違反していない、内政問題だ、などとしてかわしていくことだろう。

◆ポイントは協調の部分を拡大できるか
 今回の会談のポイントは、対立が基軸となる米中関係のなかで、いかに協調を生み出すことができるかだろう。トランプ前政権は対立と協調を区別することなく、貿易摩擦に代表されるように、中国に対して懲罰的ともいえる行動を継続し、中国もそれに対抗してきた。バイデン政権も基本的にはトランプ路線を継承する形ではあるが、地球温暖化などグローバルな問題で中国と協調できるところは協調していく余地を残している。その協調していく余地を18日の会談でどこまで実効性あるものにできるか、これが大きなポイントとなる。そして、両国が対立と協調の空間を冷静に分離し、対立が協調を崩さないように意識すれば、米中対立の不必要な悪化を避けることに繋がるだろう。

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Text by 和田大樹