ミャンマー・クーデターを静観する中国の戦略

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 2月1日、ミャンマーで軍事クーデターが発生した。欧米諸国などはそれを非難し、バイデン政権はミャンマー国軍幹部に対して経済制裁を発動する可能性もちらつかせている。一方、中国はクーデターについて依然として静観し、ミャンマーの内政問題だとする立場を維持している。中国がこのような立場を堅持する背景には何があるのだろうか。

◆中国にとって戦略的要衝
 中国は長年、自らが描く経済圏構想「一帯一路」に基づき、アジアやアフリカの途上国などに対して多額の経済援助を行っている。その一つがミャンマーだ。

 習政権には、中国国内とインド洋を陸路で繋ぐ目標があり、近年はミャンマー国内の港やパイプライン、道路や電力などのインフラ整備を強化している。とくに、中国・ミャンマー国境の都市ムセから第2の都市マンダレー、マンダレーから首都ネピドーを通過して最大都市ヤンゴンに繋ぐルート(高速鉄道建設や高速道路改修など)、またマンダレーからベンガル湾に面する西部の都市チャオピューを繋ぐルートの発展に力を入れている、

 ミャンマーを通過する形で中国とインド洋を繋ぐ陸路が発展すれば、中国はマラッカ海峡や南シナ海などを通らないで物資を輸送できるようになり、距離的にも大幅なショートカットで輸送費を大幅に削減できるようになる。

Text by 和田大樹