GSOMIA騒動の爪痕、北京への抵抗……今年の極東安保 20年のカギは?

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◆2020年のキーポイントは?
 今年を振り返ると、米朝関係の停滞、日韓・米韓関係の悪化(日米韓の連携崩壊)、北京への抵抗だったように思う。おそらく、北朝鮮問題では良くも悪くも何かしらの動きが見られる可能性はあるが、決定打になるような進展は見られないだろう。香港・台湾問題でも、決定打になるような改善は期待できず、米中両国の競争はいっそう激しくなるだろう。

 このようななか、来年の極東安保を展望するにあたっては、11月の米大統領選が最大のポイントとなる。来年の秋が近づくにつれ、誰が勝つかなどおおよその結果は見えてくる可能性もあるが、それによって北朝鮮や中国の出方にも変化が出てくることだろう。来年、トランプ大統領が再選されるか、もしくは民主党から新たな指導者が誕生するのか、これが来年、そして今後の4年間の
極東安保を見据えるうえで最大のポイントになるだろう。トランプ大統領の誕生によって、北朝鮮やイランをめぐる情勢は大きく変化した。来年は激動を迎えるプロローグになるのだろうか。

Text by 和田大樹