GSOMIA破棄 懸念すべきは米韓関係の悪化

U.S. Department of State / flickr

◆深刻化する米韓関係
 以前の論考でも紹介したが、米国が最も懸念するのは、日韓関係の悪化によって極東アジアでの日米韓安保体制にヒビが入ることだ。当然ながら、同盟国の片方が意図的に安保協力を破棄する決断を下したことは、米国の強い怒りを買っている。現在のトランプ・文関係はきわめて冷え込んでおり、トランプ大統領が来年再選されるならば、2024年までは現在の関係が続く可能性がある。今回の決定は、米韓同盟にも大きな影響を与え、朝鮮半島の安全保障がいっそう不安定化する恐れさえある。

◆韓国内で高まる反文在寅
 一方、韓国国内では反文在寅の流れが強くなっている。反日から反安倍、そして、反文在寅となるように、韓国国民も文在寅政権の政策による現実的リスクに徐々に気づき始めている。

 文在寅政権は、在韓米軍の撤退も視野にあると報道されているが、こういった流れを追求していくと、汚職やスキャンダルなど国内問題も影響して、前政権のように反文在寅の動きがいっそう加速化するだろう。韓国の大統領の任期は5年(再選は禁止)なので、現在の政権が2022年まで続くと考えると、中国や北朝鮮の動向がいっそう懸念される。また、来年11月の米大統領選挙でトランプ氏が再選されれば、その後も現在の冷え込んだ関係が続くことが想定され、日本は難しい舵取りを余儀なくされる可能性もある。

Text by 和田大樹

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