中国の海洋戦略 第4列島線、第5列島線とは?

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 以前の論考で、第3列島線について取り上げたが、中国の海洋戦略としての列島線に関する研究はそれだけではない。最近では、第4列島線、第5列島線に関する動向にも注目が集まっている。では、中国にとっての第4列島線、第5列島線とは、一体どういうものなのだろうか。

◆太平洋上に描かれる第1、第2、第3列島線
 第1列島線が、九州から沖縄、台湾からフィリピンに至り、第2列島線が伊豆半島から小笠原諸島、グアムからパプアニューギニアに至り、そして、第3列島線はさらに遠方に展開され、ハワイからサモアを通り、ニュージーランドに至る。

                                                                                                                 

 中国の海洋進出において、第1、第2列島線はそれと対峙する日本や米国などによって長年議論されてきた。第1列島線は、中国の核心的利益に関わる海域であり、第2列島線は、西太平洋の覇権をめぐる対米防衛ラインを意味する。そして、第3列島線は、習近平氏が2013年6月の訪米時に、「太平洋には中国と米国を受け入れる十分な空間がある」と指摘した太平洋分割統治論とほぼ同一線上に描けられる。

 しかし、南シナ海では中国の支配が進んでいるが、現在、第1列島線や第2列島線が中国の思い描くように進んでいるわけではない。中国の南太平洋への進出や第3列島線の浮上によって、フランスやオーストラリア、ニュージーランドはいままで以上に懸念を示すようになっており、第1列島線や第2列島線なしに第3列島線は確立しない。それ以上に、第3列島線は南太平洋をトランジットとして、南米航路を開拓する経済的戦略を包含しており、対米牽制の意味合いが強い第1列島線や第2列島線とは違った側面があるといえる。

Text by 和田大樹