竹島領空侵犯、ミサイル発射……中露朝による政治的シグナルとは?
◆日韓関係の悪化に苦慮してきた米国
まず、安全保障上、米国からすると、米韓同盟は北朝鮮、日米同盟は中露の海洋進出や南下を防止するための重要な同盟であり、同盟国同士の間で亀裂が入ることは避けたいはずだ。
第3次アーミテージ・ナイレポートでも、日韓関係についての懸念が示されたが、最近になって米国が日韓の仲裁役を担おうとする背景には、覇権を握ろうとする中露への警戒がある。
◆中露朝からの政治的シグナル
そのようななか、日韓関係の悪化をあざ笑うかのように、中露による竹島上空での領空侵犯が発生した。タイミング的にも、これは中露による政治的けん制であることは間違いない。また、このシグナルは日韓以上に米国に向けたものだといえるだろう。
そして、北朝鮮は7月25日と31日、新型とされる短距離弾道ミサイル2発を日本海へ向けてそれぞれ発射したが、これは8月にも実施される米韓合同軍事演習をけん制する狙いとされている。しかし、それ以上の思惑があるのではないか。
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