北朝鮮の新型潜水艦、その脅威とは? 核ミサイル複数搭載、日本海で活動……専門家分析

Ahn Young-joon / AP Photo

 北朝鮮は国営メディアを通じて、「新型潜水艦」の写真を公開した。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が潜水艦の建造現場を視察したという記事になっており、艦体の一部を含む複数の写真が公開されている。旧型艦の焼き直しとの指摘も一部に出ているものの、同国が保持する核ミサイルを複数搭載するとの分析も出ていることから、日本を含む近隣国にとって安全保障上の懸念となることは必至だ。

◆複数のミサイルを搭載、日本海で活動か
 新型艦の正確なサイズや能力などは明らかになっていないものの、写真の解析を通じておおよその能力を推測することが可能だ。写真は兵器工場を視察する金正恩氏とその背後の新型艦を写したもので、黒とグレーで塗装された艦体の一部が確認できる。

 米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(以下WSJ)は、ミサイル発射能力を備える潜水艦の数が単純に増える以上の意味がある、と新型艦の意義を解く。現行のゴラエ級潜水艦は、ミサイルを1発のみ搭載可能だ。今回公開された艦体は、そのサイズから推測するに、複数の発射体を搭載できるものと見られている。

 米技術誌ポピュラー・メカニクス(7月23日)も専門家の見解として、新型艦には核弾頭を装備した複数のミサイルを搭載する能力があると報じている。同誌は活動地域にも言及しており、「この潜水艦は日本海で活動するであろう」と述べている。日本およびアジア太平洋地域に存在する米軍基地に対する脅威となり得るとの分析だ。「そのような(潜水艦発射弾道ミサイル「北極星」のような)ミサイルが日本海から発射されたならば、アメリカと日本の標的を核攻撃のリスクにさらす可能性がある」と同誌は懸念している。

Text by 青葉やまと