イギリス次世代戦闘機「テンペスト」、スウェーデン参加で実現に弾み

ユーロファイター タイフーン|Andrew Harker / Shutterstock.com

◆威信を賭けた最新機、実現に弾み
 昨年7月のファーンボロー国際航空ショーで発表されたテンペストだが、今回のスウェーデン参加の報により、一段と現実味を増したことになる。ディフェンス・ニュース誌は、「資金、技術、市場を提供する海外パートナーの参加があった場合にのみ、テンペスト計画は妥当な金額で実現可能になる、と(イギリスの)政府関係者は常にはっきり述べてきた」と振り返る。ある軍事航空アナリストは、スウェーデンの軍事企業であるサーブ社の能力に注目している。同社はスウェーデンのような(比較的小規模の)国でも購入できるような軍用航空機を製造してきたと述べ、テンペストの開発にコスト面で貢献できるものと見ている。

 計画の成否は、EU離脱後のイギリスの将来に大きな影響を与えそうだ。エクスプレス紙は「ブレグジット後のイギリスが最新の技術知識を持ち続ける上で、このプロジェクトの成功は不可欠だ」という業界リーダーたちの見解を伝えている。加えて、計画が成功すれば「イギリスの先進的な技術を世界に示すことになるだろう」とも同紙は述べ、国の威信が賭かるプロジェクトへの期待をあらわにしている。

Text by 青葉やまと