タンカー攻撃、「やった・やってない」の裏側 イランが仕掛ける非対称戦
6月13日、日本のエネルギー安全保障を脅かす事件が起きた。日本の海運会社が所有するパナマ船籍が、ホルムズ海峡付近のオマーン沖を航行中、突然何者かによる砲撃を受けたのだ。同タンカーに乗船していたフィリピン人の乗組員21人は救命ボートで避難したが、現在も砲撃した組織はわかっていない。
5月にも、同じ海域を航行中のサウジアラビアの石油タンカーなど4隻が攻撃を受ける事件があった。また、2010年7月、ホルムズ海峡を航行中の日本の海運会社が所有する石油タンカーが攻撃を受け、その後、国際テロ組織アルカイダと関連があるとされるイスラム過激派「アブドラ・アザム旅団(Abdullah Azzam Brigades)」が犯行声明を出したが、具体的な関与はいまでもわかっていない。
今回の事件当時、安倍首相がイランを訪問中だったこともあり、日本国内でも大きな議論となり、イランの関与や実行組織をめぐってメディアや専門家から大きく見解が出された。しかし、決定的な答えは依然として見えてこない。真相はどこにあるのだろうか。
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