中国をけん制、激しくなるインド洋の覇権争い モディ首相の初外遊の意味

Eranga Jayawardena / AP Photo

◆インドが中国に感じるジレンマ
 他方、インドにとって、中国は切っても切れない経済関係国だ。インドは、中国の主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)最大の被援助国かつ、中国に次ぐ出資国となっている。よって、今後の経済成長や人口増加を視野に入れると、インドにとって中国との経済関係は欠かせない。これがいまのモディ首相が対中で抱える大きなジレンマだろう。政治と経済の狭間で抱えるジレンマのなか、どうバランスをとって中国と関係を維持していくか、これがモディ外交の最重要テーマといっても過言ではない。

 モディ首相のジレンマは、安全保障の世界でも見て取れる。たとえば、安倍首相が提唱した「自由で開かれたインド太平洋戦略」についても、モディ首相は以前に、一部の限られた国々による排他的なクラブではないと関係国をけん制し、2017年5月にオーストラリアが日米印の3ヶ国による合同軍事訓練「マラバール」に参加したいと打診したい際、それを拒否した。

 モディ第2次政権が始まった。今後も対中では難しい外交が続くのだろうか。

Text by 和田大樹

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