「イランは終わり」トランプ氏の思惑とは? 想起させる2年前の舌戦

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 米国とイランの非難合戦が止まらず、緊張が高まっている。トランプ大統領は19日にも、お決まり道具のツイッターから、「イランが戦おうとするなら、イランは国として正式に終わるだろう、二度と米国を脅かすな!」と呟いた。誰が緊張を高めているのか、また、なぜトランプ大統領はイランを敵視するのか。今後のイラン情勢の行方について考えていきたい。

◆これまでの経緯
 トランプ大統領は、2018年5月、英仏中露などとともに締結した2015年のイラン核合意から一方的に離脱し、イランへの経済制裁を再開した(第1弾を2018年8月、第2弾を同年11月に実施)。

 そのようななか、イランのロウハニ大統領は今年5月8日、イラン核合意の一部履行を停止すると発表し、英仏中露など参加国が合意に基づく義務を遵守しなければウラン濃縮活動を再開すると警告した。トランプ大統領は、これにすぐさま反応し、鉄鋼やアルミニウムなど工業金属製品のイランとの取引を禁止する大統領令に署名し、制裁を強化した。

 昨今では、米軍12万人のペルシャ湾への派遣、イラン支援の武装勢力によるサウジタンカーへのドローン攻撃など、さまざまな報道が流れるだけでなく、米国やバーレーンなどは、イラン情勢を受けてイラク国内にいる自国民に対して国外退避するよう求めている。

Text by 和田大樹