北朝鮮ペース止めたトランプ氏 2回目の米朝会談から見えてくるものとは?

Evan Vucci / AP Photo

 第2回米朝首脳会談が終わった。今回の会談では、非核化のプロセスを巡って両者の間に隔たりがあることが浮き彫りとなり、何も合意されずに打ち切りとなった。

 現在までの報道によると、同会談で、北朝鮮側は寧辺にある核施設を廃棄することを条件に経済制裁の全面解除を要求したが(後に北朝鮮は、要求したのは国民生活に関連する一部の解除で、全面解除ではないと発表した)、米側はそれだけでは不十分で、ほかの核関連施設への査察や廃棄も要求した。

 結局、両者の間で主張が折り合わず、次回の開催時期など具体的なことは決まっていないものの、今後も協議が続けられる形となった。今回の会談によって、何が見えてくるのだろうか。

                                                                                                                 

◆北朝鮮ペースに「待った」をかけた米国
 今回の会談前、筆者を含め多くの専門家やメディアが抱いていたのは、トランプ大統領のトーンダウンによって、米国が譲歩し、北朝鮮のペースでさらにプロセスが進むのではないかとの懸念だった。

 しかし、いざ蓋を開けてみると、そこにあったのは非核化プロセスで妥協を許さない米国の姿だった。今回のトランプ大統領の姿勢に最も安堵したのは日本だろう。日本国内でもトランプ大統領の姿勢に対する心配の声があっただけに、拉致問題の提起に加え、非核化で安易に妥協しない米国の姿を再確認できたことは日本にとっては良かった。

 反対に、北朝鮮としては、寧辺にある核施設の廃棄という部分的な妥協を提示すれば、米国が経済制裁の全面解除に応じるだろうとの計算があったのかもしれない。

 文在寅政権の誕生、そして去年の平昌五輪以降、南北会談や中朝会談、米朝会談など北朝鮮を取り巻く情勢は大きく変化してきたが、それらは全体としては北朝鮮ペースで動いてきたといえる。北朝鮮は融和を訴える韓国、そして米中対立のなかで自らの道筋を立て、関係国間の利害関係をうまく巧みに利用してきた。いくつかの課題はあるにしても、北朝鮮のなかにはこれまで自らのペースで進めてきた自負もあり、今回の会談でも米国から一定の譲歩を引き出せるだろうとの考えがあったのではないだろうか。

 しかし、いざ会談をしてみると、米国にペースを止められた形となり、北朝鮮としては再びじっくりと作戦を練る必要性に迫られることになった。

Text by 和田大樹

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