10代の子供が捕虜を拷問、殺害 元少年兵が語るイエメン内戦

AP Photo / Nariman El-Mofty

 AP通信は、連合軍が制圧しているマアリブで、難民キャンプやサウジアラビアが出資するリハビリセンターにいる元少年兵らに取材した。元少年兵は、反乱軍から人目を盗んで抜け出したり、連合軍の部隊に保護されたりして、マアリブにたどり着いた。

 元少年兵はまだ若く、なかには残虐な行為を加えた事実を認めている少年もいるため、AP通信は以降、ファーストネームのみを使用することとする。

 今回の戦争は、イスラム教シーア派の一派であるザイド派の組織、フーシがイランと手を組んで起こした反乱運動が、2014年後半に北部の高地から徐々に広がり、首都サアナを制圧した後に南部まで及んだことが発端となった。国際的に認知されているイエメン政府は、サウジアラビアに支援を要請した。それを受けサウジアラビアは、アメリカの後ろ盾を得て連合軍を結成した。連合軍は一連の出来事をイランの侵略行為だとし、これを阻止することを決定。これによりイエメンの内戦が、代理戦争となった。

 少年兵は身体検査を受け、細い肩に自動小銃AK-47をぶら下げられるか、歩兵として前線に送られる。

 AP通信の取材に応じた子供たちのなかには、自ら進んで反乱軍に入隊したと言う者もいる。その理由は主に、金銭を約束されたか、武器を携帯できる可能性があったため、または、イエメンでは興奮剤として噛まれているチャットという葉をもらえる機会があったためだ。しかし学校や家にいるときに拉致されたり、拘束されている家族の解放と引き換えに入隊させられたりしたと話す少年もいる。

 子供たちは、徴兵されるとまず「カルチャーセンター」に連れて行かれ、約1ヶ月にわたり宗教に関する講座を受けることになる。そこでユダヤ人、キリスト教徒、そして西洋諸国の勢力に屈したアラブ諸国との聖戦に参加するのだと言い聞かせられる。

 その後、子供たちは軍事訓練場に連れて行かれ、そこから戦地へと向かう。

「カルチャーセンターを出る頃にはもう、家に帰りたいとはまったく思いません。聖戦に参加したいと思うようになります」とモハメッドは言う。

 モハメッドは、タイズでの戦いの最中に仲間が連合軍の兵士を捕まえ、爆破されたレストランに連れて行ったときのことを振り返った。当時14歳のモハメッドは、指揮官が捕虜となった兵士を尋問する間、捕虜の体に発電機を繋ぎ、ショックを与えた。

Text by AP