米中留学戦争? 「スパイ」中国人減らしたいトランプ氏 減ると苦しい大学

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 2017年にアメリカの大学に入学した外国人学生の数が、2年連続で減少している。外国人排除のトランプ政権の方針も影響しアメリカ留学の人気は衰えているようだ。しかし留学生のなかでもっとも多い中国人の数は増えている。トランプ政権は中国人留学生による「スパイ」を懸念して門戸を狭めようとしているが、すでに大切な収入源である彼らを締め出すと、大学が財政上の危機に陥るとも見られている。

◆トランプ氏の影響? 留学生のアメリカ離れ
 米国務省と国際教育研究所(IIE)による報告書「Open Door 2018」によれば、2017年度にアメリカの大学に新規入学した外国人留学生は6.6%減の27万1700人で2年連続の減少となった。

                                                                                                                 

 IIEが学生を対象にした調査によれば、原因はビザ申請手続きが難しくなったことに加え、「アメリカの社会的、政治的環境」が上げられている。高い学費はもちろんだが、「アメリカで歓迎されていないと感じる」「身の危険がある」という回答が多かった。アメリカへの留学生数が最も減ったのは、インド、韓国、メキシコ、サウジアラビアだった。留学生のトレンドを研究するオックスフォード大学のサイモン・マージンソン教授は、トランプ政権の反移民メッセージと学生ビザ制度の見直しがセットになり、アメリカ留学離れの原因になったと見ている(BBC)。

 アメリカで学ぶ留学生は1960年代の初めには5万人ほどだったが、現在では100万人を超えている。アメリカにとって留学生受け入れは、経済的恩恵もさることながら、アメリカの「ソフトパワー」と世界への影響力を高めることにおいて重要な役割を担ってきた。よって、右肩上がりできた留学生数が減少に転じたことは驚くべきことだとBBCは指摘している。

Text by 山川 真智子

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