武器輸出3、4、6位の仏独英で問われる責任 多くが中東・アフリカの戦火へ

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◆フランスの武器がイエメン内戦で使われている
 仏大手通信社AFPは、自国の現状を「フランスの武器輸出は半分になったようだが、依然として中東のクライアントに依存している」と伝えている。同国の2017年の武器輸出額は69億ユーロと、前年の140億ユーロから半減している。過去最高額は2015年の170億ユーロだった。輸出額半減の理由について、フランス国防省は、昨年はたまたま主要輸出品のラファール戦闘機の受注時期の谷間に当たったためだと説明。中東への輸出の割合は増えており、近い将来カタールが追加でラファールを購入する予定もある。

 フランスの人権団体などが特に問題にしているのは、サウジアラビアとUAEへの輸出だ。両国が支援する政府側と反政府勢力のフーシ派の争いが続くイエメンの内戦では、一般市民にも多数の死傷者が出ている。サウジ主導で学校や病院が爆撃されたという情報もある。フランス国内で今年3月に行われた世論調査では、74%のフランス市民がサウジへの武器輸出に反対、71%がUAEへの輸出に反対した。

 フランスの批判派は、サウジ・UAEへの武器輸出は、武器が人権侵害に用いられないことを輸出側が確認しなければならないと定めた2014年に批准された武器輸出条約に違反していると主張する。また、2017年の輸出先1位のエジプトには、監視機器の輸出が急増しているが、シーシー大統領の現エジプト政府が、それを「異議を唱える市民のあらゆる行動を根絶する」ために使うと表明し、物議を醸している(AFP)。

                                                                                                                 

◆武器輸出で横行する汚職が悪循環を生む
 ドイツでも、サウジへの武器輸出が批判の的になっている。増加傾向にある小火器の輸出も、しばしば中東やアフリカの内戦に使われていると非難されている。昨年の輸出先の過半数はアフリカ・中東が占めるが、ドイツ政府は、その理由をアルジェリア海軍へのフリゲート艦の輸出、エジプト海軍との潜水艦契約など大口の契約があったからだと説明している(ドイツ国営放送ドイチェ・ヴェレ)。

 ドイツ政府は、批判をかわす手をいくつか打っている。保守派キリスト教民主同盟(CDU)と左派社会民主党(SPD)による連立政権は今年1月、イエメン内戦に関与している国への武器輸出を中止する政策に大筋で合意している。また、輸出した武器が紛争当事国などに転売されていないか、インドとUAEで抜き打ち検査を実施した。

 一方、イギリスでは、武器輸出における汚職の横行が紛争に火をつけているという批判が巻き起こっている。汚職を監視するNGO『トランスペアレンシー・インターナショナル』の報告書によれば、英国の武器輸出の80%が、賄賂の授受などの汚職に関係するリスクにさらされているという。具体的に、英国のメーカーが、イエメン、インドネシア、ナイジェリア、インドなどで契約を得るために仲介業者に賄賂を贈ったとされる。

『トランスペアレンシー・インターナショナル』のプログラム・ディレクター、キャサリン・ディクソン氏は、次のように英ガーディアン紙に語っている。「例えば、7年間紛争が続けば、その社会の収入は15%減る。これにより不平等が引き起こされ、貧しい者がより貧しくなる。そして、政府は予算をより盗みやすくするため、市民が直接関心を持ちにくい防衛やインフラなどを優先するようになる。現にアフリカ諸国の半数が防衛予算に5%以上費やしている。つまり、貧しい国の方が一般的に防衛予算に多くを割いているのだ」。

Text by 内村 浩介