「中国の内政干渉」に豪反発、緊張高まる 一方、中国の報復を恐れる声も

Alexandra_Strekoza / Shutterstock.com

◆中国共産党は反論
 ガーディアン紙によると、中国による政界への影響拡大を受け、ターンブル首相は「オーストラリアの人々が立ち上がる時だ」と宣言したという。しかしこうした機運の高まりに対し、中国政府は猛反発しているようだ。中国外務省は先週金曜、オーストラリア大使の呼び出しを行ったと伝えられている。また、共産党が発行するグローバル・タイムズ紙も、中国の過干渉に関する批判を「馬鹿げている」などと激しく非難する記事を掲載した。

 オーストラリア放送協会の記事では、香港大学の政治学者であるライアン・マニュエル氏が持論を述べている。それによると、共産党の機関紙である人民日報がオーストラリア政府とメディアを攻撃する内容の社説を掲載した。社説は中国トップの政治家の怒りを約9000万人の党員に伝えるものであり、非常に重要な意味があるとマニュエル氏は主張している。

 ワシントン・ポスト紙では、政治面以外でも、ザンビア、ペルー、ネパールなどの発展途上国で中国が投資やソフトパワーを展開していると指摘する。その上で、アメリカも他国の選挙に干渉していることを引き合いに出し、力を持つ国が外国に影響を及ぼすのは当然だと述べている。政治干渉への批判が出ている一方で、ある程度許容されるべきだとの見解もあるようだ。

                                                                                                                 

◆経済的見地
 中国に対し意見することは得策でないとの考え方もある。ガーディアン紙ではある元政府高官の認識として、中国が言葉での抗議を超えた行動に踏み切る可能性を伝える。オーストラリアは鉄鉱石の輸出国だが、政治干渉への抗議を続けるならば、中国が輸入先をブラジルに切り替える可能性があるとの見方だ。

 オーストラリア放送協会の記事も同様の論調であり、豪中間の自由貿易交渉の進展を妨げるだろうとの予測を述べている。

 中国の影響力は世界的に強まっている。政治干渉を許すべきでないという声が高まる一方で、経済的観点を考慮するならばある程度受容せざるを得ないという主張もあるようだ。

Text by 青葉やまと

Recommends