アルテミス計画用の次世代宇宙服はこれまでと何が違うのか? 月面探査で使用

公開されたアクシオム・スペースの新しい宇宙服(3月15日)|David J. Phillip / AP Photo

 米宇宙企業アクシオム・スペースは3月15日、開発した次世代宇宙服を披露した。この背景や目的は何か。従来の宇宙服と何が違うのか。

◆半世紀ぶりの月面計画アルテミスが始動
 アルテミス計画とは、米航空宇宙局(NASA)が主導する月面有人探査計画のこと。アルテミス計画は3つのフェーズに分かれている。アルテミス1ミッションでは、超大型のSLSロケットによって無人のオリオン宇宙船を月面周回させて地球へと帰還する試験。昨年11月16日、SLSロケット初号機の打ち上げに成功し、12月12日、無事無人のオリオン宇宙船は太平洋カリフォルニア沖に着水している。

 日本もアルテミス計画への参画を表明し、2月18日に月面探査の可能性がある2名の宇宙飛行士候補が選定されたばかりだ。

◆なぜ有人ミッション、アルテミス2は2024年以降なのか
 無事アルテミス1を終え、次に始動するのはアルテミス2ミッションだ。今度はSLSロケット2号機に4名の宇宙飛行士が搭乗し、月面を周回して地球へと帰還する試験。このミッションではまだ人類は月へと降り立たないが、1972年以降、地球の低軌道から外れた歴史的な有人ミッションとなる。

 アルテミス1で使われた同型のSLSロケット初号機やオリオン宇宙船を使えばすぐにアルテミス2を開始できるかというとそうではない。このミッションではハードウェアの一部を再利用することが決まっている。一連の検証テストを行い完全にパスした後でなければ、アルテミス2は始動しない。そのため時間を要している。(スペースドットコム

Text by 齊田興哉