広がるメタバース、環境分野でも注目 日産、仏スーパー、香港ホテルらも活用

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◆環境系メタバースでNFT購入も
 フランスのハイパーマーケットのカルフールもメタバースの活用を進めている。カルフールのメタバース「NFBEEスーパーマーケット」は、ミツバチの重要性について消費者たちにもっと知ってもらい、ミツバチの保護を促進しようという狙いで立ち上げられた。

 NFBEEスーパーマーケットでは目下、アバターで畑を散策しながらミツバチの生態や問題について学べる「The Last Beehive」と、ミツバチの巣を脅かす敵と戦うゲーム「Save the NFBEEs」の2つを公開している。

 このスーパーマーケットには、もう1つ特徴がある。デジタル上のゲームキャラクターやアート作品に使われているNFT(非代替性トークン)という仕組み(購入者の所有権が明確で、複製が難しい)を使い、独自デザインのNFTのミツバチ「NFBEE」を発売している。

 NFBEEは現在16匹で、果物や野菜を受粉するミツバチを想像させる可愛らしいデザインだ。販売は昨春から始まり、その全収益はミツバチを保護する団体BeeFundに寄付している。NFBEEを購入するとメタバース内での特典があり、NFBEEのグッズが当たる抽選に参加できたり、有機ジャムをもらえるといったリアルな世界での特典もつくという。

 環境に関連したNFTのコンテンツは、カルフールのほかにもクリエーターなどが徐々に手がけている。今後、環境系メタバースも広まっていくだろうか。メタバースの利用により、環境問題を「じぶんごと」として考えるようになる人はさらに増えるかもしれない。

Text by 岩澤 里美