AR・VR普及はアップルが? ヘッドセットが来年登場と著名アナリスト

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◆開発者向けヘッドセットと、消費者向けスマートグラス
 リーク情報によると、アップルは2種類のデバイスを開発している模様だ。CBSニュースは、コードネーム「N301」と呼ばれるVRヘッドセットと、「N421」と呼ばれるスマートARグラスが存在すると報じている。

 米MacRumorsによると、アナリストのミンチー・クオ氏はこのうちVRヘッドセットが主に開発者向けの位置づけになるとの予測を新たなレポートで示している。アップルはインテル製プロセッサから高性能な自社開発M1チップへの移行を進めているが、同氏は、VRヘッドセットにも同社のチップが搭載されると予測している。ヘッドセットには2つのプロセッサが搭載され、うち上位は現行のMacに搭載のM1と同等の演算能力をもち、下位のチップがセンサーからの入力を処理するという。さらにクオ氏は、ディスプレイにソニー製の4KマイクロOLEDを2枚使用し、VRだけでなくARにも対応すると述べている。アップル製品に関してアナリストの予測は当てにならない場合も多いが、クオ氏はサプライヤーの情報をもとに非常に正確な予想を示すことで知られる。

 またクオ氏は、ARグラスの方は一般消費者をターゲットとした製品になるとみているようだ。製品の外観は目立つヘッドセットのようなものは避け、消費者が受け入れやすい通常のメガネに近い形態を目指すという。用途は目的地への道案内などが想定され、風景のうえにオーバーレイ表示する形で情報を表示する。

◆早ければ来年後半登場
 発売時期についてクオ氏は、VRヘッドセットが2022年第4四半期(7月〜9月)の登場になるとの見方を示している。ただし過去に延期されており、今後もさらにずれ込む可能性があるという。消費者向けARグラスの発売はさらに後となり2023年頃とされる。

 通常のアップル製品であれば発表から数週間後には入手可能となるが、完全な新カテゴリとなるVR/AR製品では状況が異なるようだ。ブルームバーグはiPhoneやApple Watchなどの初登場時を参考に、発表から発売まで6ヶ月前後を要するのではないかと予測している。待望のアップル製VR/AR製品を手にできるまでにはもう少し時間がかかりそうだ。

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Text by 青葉やまと