プレステ5、米紙「完璧に近いゲーム機」 レイトレーシングと高い没入感、海外でも好評

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◆デュアルセンスと3D音響の没入感
 もう一つPS5の大きな利点となるのが、高い没入感だ。新型コントローラー「デュアルセンス」は、より高精度のバイブレーションが繊細なフィードバックを手のひらに伝える。USAトゥデイ紙(11月6日)は「手に入るなかで最高のコントローラー」だと称賛している。同紙のレビューによると、スパイダーマンのプレイ中、手首からスパイダーウェブを射出するたびにリアルな感触が伝わってきたという。ハプティック(触覚)フィードバック自体はスマホなどでもすでに活用されているものだが、ゲーム機としては従来よりも精度の高い振動を返すことで、シーンの緊張感をいっそう高めた。

 これに加え、通称「テンペスト」と呼ばれる3Dオーディオ・エンジンも臨場感に寄与している。テンペストは漫然と音を流すのではなく、位置情報を持った音源をゲーム空間内に配置し、プレイヤーの位置と向きに応じて音響のミックスを変化させる。さらに人間の耳の内部での反響をシミュレートし、擬似的に音源の方向感を再現する仕組みだ。とくに3Dワイヤレス・ヘッドセットと組み合わせた際の効果は絶大だ。ワシントン・ポスト紙は、「キャラクターの位置や周囲の環境に応じたサウンドを耳に届けることでその場所の特徴を表現しており、その効果は感動的だ」と述べている。

◆次世代Xboxより優位か
 最新技術でゲーム世界をリアルに描き出すPS5は総じて好評だ。あえて難を探すなら、その巨大な筐体サイズだろうか。NYT紙は置き場所を考える必要があるだろうと述べているが、一方でその曲線的なデザインには未来を感じるとも述べており、外観の印象は決して悪くないようだ。総評として、同紙はXboxの次世代機であるシリーズXと比較したうえで、PS5が優位だと結論づけている。先端のハード、十分な新作タイトル、そして使いやすいUIが評価を後押しした。ただし、カジュアルなユーザーにはより安価なXboxが価格面で訴求するだろうとも同紙は述べている。

 現時点では新規IPは豊富とまでは言えないものの、ワシントン・ポスト紙は大型タイトルが揃っているとして満足しているようだ。前述のスパイダーマンのほか、PS5向けに完全にリメイクされた『デモンズソウル』などが目を引く。後方互換性も確保されているため、すでにPS4タイトルに多く投資したヘビーユーザーも移行に二の足を踏むことはないだろう。

Text by 青葉やまと