「TikTokが中国政府にユーザー情報を送信」アメリカで訴訟

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◆データは中国には渡さない、TikTok幹部は安心を強調
 以前からTikTokと中国政府のつながりを疑う声はあった。英タイムズ紙によれば、バイトダンスの創業者で、TikTokをスタートさせた張一鳴氏は、昨年の「中国の特色ある社会主義の道をそれることなく進む、優れた個人起業家100人」に最年少で選ばれている。このリストに入るということは、党のお気に入りと認められたことを意味するという。

 バイトダンスの内情を知る人物は、このようなリストは中国ではありがちなもので、同社は政府からの財政支援はまったく受けておらず、張氏自身も共産党員ではないとし、党とのつながりを否定しているという。

 TikTok幹部も、繰り返し安全性を強調している。最近ではニューヨーク・タイムズ紙のインタビューに対し、TikTokのトップ、Alex Zhu氏が、アメリカのユーザーのデータはバージニア州とシンガポールに置かれており、中国政府は同社のユーザー情報にアクセスすることはできないと説明している。たとえ習近平主席の要請があっても、データの譲渡は断ると述べている。

◆中国企業の限界? 共産党には逆らえず
 オーストラリア戦略政策研究所のファーガズ・ライアン氏は、TikTokが党のコントロールからまったく自由とは言えないと述べる(タイムズ紙)。同研究所の報告書によれば、中国の主要ハイテク企業は、国家統制された監視や検閲に関わっているという。バイトダンスも、ファーウェイ、テンセント、アリババとともにこの報告書で言及され、新疆での人権侵害などの非倫理的な行為に参加しているとされている。

 ノッティンガム大学のマーティン・ソワリー氏は、バイトダンスなどの中国企業は、「潜在的なネットワーク」の一部と見なすべきだと述べる。自立した企業とはいえ、その存続は共産党次第であり、党の決定に従わないという選択はあり得ないとしている(タイムズ紙)。

 TikTokは、メイクアップ動画に見せかけ、中国政府のウイグル人に対する人権侵害を批判したアメリカ人少女、フェロザ・アジズさんのアカウントを停止したことで最近大きな批判を浴びた。その後「人的ミス」と謝罪しアカウントを復活させたが、アジズさんを含め、説明に納得できない人も多かったようだ。今回の訴訟に対し、TikTokとバイトダンスはコメントを発表していないが、中国アプリへのさらなる不安が高まりそうだ。

Text by 山川 真智子

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