737 MAXの安全性を証明せよ 各国の航空当局がボーイングに要求

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 航空専門家によると、少なくともボーイングは、ライオン航空機の墜落に関与した可能性のあるソフトウエアのアップデートを完了する必要があるという。航空当局は、これら2件の墜落事故の原因を示すさらに決定的な証拠が得られるのを待つ予定だ。737マックスの製造元のボーイングとアメリカ航空当局は、機体の設計に関する質問に回答することを強制されるであろうと考える航空業界の関係者もいる。

 ボーイングは、737マックスの運行停止措置を予防措置的なものとして支持する考えを示したが、同機の安全性に対する「絶対的な自信」を繰り返し強調した。以前、同社は、ソフトウエアのアップデートを、安全な飛行機をさらに安全にするための取り組みとして位置づけたことがある。737マックスに搭載されたシステムは、機首が上を向き過ぎ、速度が低すぎることをセンサーが検出した場合、空力的な失速を防止するよう設計されている。技術者たちは、このシステムに変更を加えているところだ。

 衛星を使って得られたデータによると、エチオピア航空機とライオン航空機の両者とも異常な高度の変化を記録しつつ飛行しており、パイロットたちが手を尽くして機体の制御を行おうとしていた様子がうかがい知れる。両機の乗組員たちはいずれも空港へ引き返そうとしたが墜落し、乗っていた乗客乗員の全員が死亡した。

 アメリカ国家運輸安全委員会の元理事長、ピーター・ゲルツ氏は、737マックスの運行停止措置がどのくらいの期間継続するかは、調査担当者が操縦席と管制官の通信音声記録とフライトレコーダーから何を明らかにするかによって変わると述べている。
 
 フライトレコーダーの解析の結果、事故の原因が機体の製造上の問題、もしくは、失速防止システムのソフトウエアの不具合であると判明した場合、運行停止措置は長期にわたる可能性がある。しかし、墜落の原因がパイロットの人為的なミスであると判明すれば、飛行訓練の強化などの対策で問題を是正しうるため、運行停止措置は早期に解除されるかもしれないとゲルツ氏は語る。

 エチオピア航空によると、同社のパイロットたちは、737マックスの失速防止ソフトウエアの扱い方に関する特別な訓練を受けているという。

Text by AP