737 MAXの安全性を証明せよ 各国の航空当局がボーイングに要求

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 半年以内に発生し、計346人が犠牲となった2件の墜落事故は、ソフトウエアの欠陥が原因かもしれないという疑いが浮上している。その最中、世界中の航空当局はボーイングに対し、運行停止措置が取られているジェット旅客機737マックスの飛行安全性を証明するよう厳命を下した。

 エチオピア航空機墜落事故の原因究明に向けた重要な一歩として、粉々に破損した機体から回収されたフライトレコーダーが14日、解析のためにフランスへ到着した。しかし、解析を担当する機関によると、データを読み出せるかどうかは不明だという。フライトレコーダーをフランスへ送って解析しようという決定は、737マックスの運行停止の決定に他のどの国々よりも長い時間を要したアメリカに対する非難の意味が込められている模様だ。

 ボーイングの経営陣は、737マックスの出荷を停止したと発表した。しかし、同社は、運行停止が機体の生産に及ぼす影響を推し測りながら、737マックスの生産を継続する予定であるとした。

 エチオピアの首都であるアディスアベバでは、怒り心頭に発したおよそ200人の犠牲者の家族が、エチオピア航空が十分な情報を伝えてくれなかったと不満を漏らしながら、同社関係者が開催した説明会を後にした。エチオピア航空の関係者は、コールセンターを開設し、1日に18時間さまざまな問い合わせに対応すると発表した。この墜落事故では、35ヶ国におよぶ157人が犠牲となった。

 アメリカ連邦航空局(FAA)は13日、737マックスの運行停止令を下し、当局は、新たな衛星データを解析した結果、エチオピア航空302便とライオン航空610便が墜落寸前に示した挙動が酷似していることを突き止めたと述べている。10月にインドネシア沖合のジャワ海に墜落したライオン航空610便の事故では、189名が全員死亡した。

 ボーイングが世界中の航空当局に対し、737マックスの安全性を保証しようと試みているが、同型機は数週間、運行が停止されるとみられる。

Text by AP