発展を遂げる人工知能 新冷戦の兵器に
◆サイバー紛争の世界
しかしながら、サイバー武器、とりわけAIによって動かされている武器は、双方から公正な攻撃手段であると認識されている。
ロシアおよびロシアの支援を受けているハッカーは電子的なスパイ行為を行い、発電所、銀行、病院や交通システム、そしてアメリカの選挙に対し サイバー攻撃を行った。ロシアのサイバー攻撃者たちはウクライナと、アメリカの同盟国であるイギリスとドイツを標的にしている。
アメリカは無論これに対抗する能力があり、すでに対抗している可能性がある。
プーチンは人工知能が「ロシアだけでなく、全ての人類にとっての未来」であると考えていると述べた。2017年9月、彼は「AIの領域でリーダーとなる国家がこの世界を支配するだろう」と学生に話した。プーチンは核兵器の発射パスワードをコンピュータに渡すつもりはないと言うが、 SF作品ではコンピュータがミサイルを発射する描写がある。プーチンはAIの多様な活用法についても話している。
◆核兵器の制御に使われるAI
空母や潜水母艦に搭載されている核兵器や、国境付近に設置されている兵器による奇襲攻撃の脅威に対し、いくつかの国家は反撃を含む自衛手段を講じる権限をすばやく判断を下すことができるAIに譲ろうとするかもしれない。
攻撃を受けた際に、AIは人間の管制官のようにためらったり、思いとどまったりすることなくよりすばやく行動することができるだろう。
迅速に、かつ自動的に反撃を行うことができる能力を示すことで、その国家が反撃の準備ができており、攻撃を行う可能性が十分にあることを仮想敵国に知らしめることができる。これは相互確証破壊が抑止力として効果的に働くために必要なことだ。