火星にも雪が降る可能性 そのメカニズムとは

Dotted Yeti / shutterstock.com

著:David Rotheryオープン大学 Professor of Planetary Geosciences)

 近い将来に火星へ移住するという壮大な計画があるが、火星での生活とは実際のところどのようなものなのか。我々が学んでおくべきことは驚くほど多い。例えば火星の天候についてもそうだ。火星の気候には自然変動があることが既に知られている。そして非常に風が強く、時々雲が発生する (しかし雨が降るには寒く、乾燥している)。では雪についてはどうだろう。火星で暮らしていれば、その赤い惑星が白く染まる様子を見ることができるのだろうか。その可能性はあると、新たな研究により驚くべき結果が示唆されている。

 火星の気温は低い。雪が降ってもおかしくない気温であることは明らかだ。そして火星には氷が存在し、その量は時期により大きく変化する。火星の自転軸 が軌道に対して傾いてできる角度が小さい時、極冠を除き火星の表面に氷は存在しない。この時の自転軸の傾きは25°だ (地球の傾きは23°なので似たような角度である)。しかし火星の場合は自転軸が60°まで傾くことがある。月のような巨大な衛星があれば自転が安定するのだが、火星はこのような衛星を持たないことが原因と考えられている。そして自転軸が大きく傾くことで極冠が広がり、赤道付近にまで多くの氷ができる可能性がある。

                                                                                                                 

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 火星が最後に氷河期を迎えたのは約400,000年前のことだ。それ以降、火星の極冠は小さいままだ。赤道付近で溶けずに残った氷はすべて塵の下に埋まっている

 火星の大気圧は低く、非常に乾燥している。高度数キロメートルのあたりに雲ができる可能性はあるものの、本物の雪が地表まで達することはないという説がこれまでは一般的であった。火星の雲は地球で見られる巻雲に似ており、大気中の少量の水蒸気が (蒸気から直接氷に) 凝結して、暴風で上空へと運ばれた塵の粒の上に形成されると考えられている。

Text by The Conversation