全世界で加入者数9000万人を獲得したNetflixのユニークな戦略とは
◆世界制覇への道
アメリカでは、Netflixが今後も市場独占状態を維持できるか疑問視する声も上がっている。その要因としては近年、同社のイノベーションが欠落し、アメリカでのライブラリが衰退していると考えられることが挙げられている。
しかし、Netflixは現状にあぐらをかいているわけではない。アメリカ国内の加入者数は4900万人、つまり全家庭の43%にあたるため、同国内でこれ以上成長する見込みはないに等しい。そのため、Netflixは世界初のグローバルテレビネットワークという旗印を掲げ、積極的な姿勢を見せている。
しかし、Netflixがどこに行っても同じ番組を提供しているというわけではない。現在、そのライブラリは多岐にわたる。テレビ番組の輸出入にかかわる国際規範(インターネット配信開始前に構築されたもの)が配信者側に、個々の国や地域に番組のライセンスを供与するよう要求しているからだ。 Netflixは自身が制作したシリーズに関する国際的な権利を求める姿勢を強めている。今後、同社のライブラリに加えて世界中の人に見てもらえるようにするためだ。
海外展開の際、Netflixはただアメリカの視聴者向けに制作された番組を配信するわけではない。アメリカ国外市場の加入者向けのオリジナルシリーズも制作しており、それをまたアメリカの利用者にも提供している。たとえばフランスの政治劇「マルセイユ」や日本のコメディ業界の競争を描いたドラマ「火花」などだ。海外の加入者が増えるにつれて、Netflixのオリジナルコンテンツライブラリも増えている。
これまで、テレビの配給会社が本当の意味でグローバルな視聴者にリーチすることはなかった。Netflixは世界各国の加入者に資金を提供してもらうテレビポータルだ。その試みによって、テレビ史の新たな幕が開くことになるかもしれない。
This article was originally published on The Conversation. Read the original article.
Translated by isshi via Conyac