毒物か? オーデル川で謎の魚大量死 汚染広範囲、生態系破壊の危機

オーデル川の魚の死骸(8月12日)|Patrick Pleul / dpa via AP

 中央ヨーロッパを流れるオーデル川で数万匹の大量の魚の死骸が見つかり、流域の国々で問題化している。明確な原因はわかっておらず、生態系の深刻な破壊につながる危険性が指摘されている。

◆原因不明 意図的な毒物混入か?
 オーデル川では7月下旬から大量の魚の死骸が発見されている。ポーランドでは1時間あたり500キロの魚の死骸が鳥やビーバー、貝類の死骸とともに流れており、川岸は腐敗臭とさらに不気味な臭いに覆われているという。しかしその原因は謎のままだ。(ユーロニュース

 ポーランドはこの汚染の原因を特定するため海外に助けを求めているという。すでにチェコ、オランダ、イギリスの研究所に川の水のサンプルを送ったと同国の気候・環境大臣がツイッターで発表した。ポーランド政府は、意図的にある物質が水中に混入された犯罪と見ており、犯人特定に協力した人には報奨金を出すとしている。(ブルームバーグ

 ドイツのブランデンブルグ州の当局は、魚の大量死を引き起こすほどではないが、水中に微量の水銀を発見したという。同時に、塩分とクロロフィル(葉緑素)が高いレベルに達しており、温度上昇と異常なアルカリ性レベルも検出した。原因を調査するため、欧州委員会も支援を申し出ている。(同)

Text by 山川 真智子