「ヴィーガン・ビューティ」美容・ファッションに広がるトレンド
◆多くのブランドが参戦
消費者の意識の高まりは、ビューティー業界プレーヤーが動物由来ではない製品を作ることを後押ししている。さまざまなビューティブランドがヴィーガン製品を開発・販売し始め、ヴィーガン表示のあるコスメも増えている。英国で「ビーガン・ビューティ」のオンライン検索は、2012年から毎年2倍のペースで増え続けている。米動物愛護団体「PETA(動物の倫理的扱いを求める会)」の副会長であるキャシー・ギレルモ氏は、多くのブランドで、製品の倫理的および環境的影響に関する懸念が、消費者から一番多い質問であると言う(NYT)。以前は、「動物実験反対」の声をあげているのは自然派化粧品ブランド「ザボディショップ」など少数であったが、現在では5000以上のビューティブランドがPETA USの「Beauty Without Bunnies」プログラムに参加して動物実験をしていないという認証を受けている(ハーパーズ バザー)。
厳格な菜食主義者であるイギリスのファッション・デザイナー、ステラ・マッカートニーは、自身のデザインするブランドでも、ファー、レザー、フェザーなど動物性の素材は一切使わない。絶対に成功しないと言われながらも、いまではファッション界で有名で、高く評価されている。2020年のパリ・ファッションウィークでは、等身大の動物マスコットがステラ・マッカートニーのランウェイを歩いた。「これらの動物は、ほかのすべてのファッションショーの材料となっている。 私たちは、動物を殺していない世界で唯一の高級ファッションハウスであり、私はその点を面白く主張したかったのです」と彼女は述べている(タイム誌)。
ヴィーガンで自然美ブランドの創設者であるタタ・ハーパー氏は「美容は食品の後に続くだろう。なぜなら、二つは同じ材料を多く使っているから」「体内に摂取するのに適しているのならば、もちろんそれを体につけることも良いはずである」と述べる(NYT)。トレンドに敏感なファッション業界は、動物・地球への思いやりは、体に入れるものと同じくらい、身につけるものにも大事だとすでに気づいている。
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