浮上する「コロナごみ」問題 ポイ捨てマスク、海に流入

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◆紙じゃない? トイレに流したマスクが下水道へ
 カナダのCBCによれば、使用済みのマスク、手袋、ウエットティッシュなどがトイレに流されているという。微生物分解されないこういった「コロナごみ」は、下水管を詰まらせたり、処理施設を損傷させたりする原因になる。カナダ国内第3位の都市圏である、メトロ・バンクーバーの担当者によれば、年間2億5000万カナダドル(約200億円)の税金が、修理費にかかるという。使い捨てマスクがプラスチックファイバーから作られていることを知らないことから、トイレに流してしまう人も多いようだ。

 ブリティッシュコロンビア大学の研究室では、使い捨てマスクの問題を解決しようと、自然分解しやすい木質繊維100%のマスクや防護用品の開発に乗り出した。森林の多いカナダはこれまでも紙製品の開発で長い歴史を持っている。研究者の一人は、ウイルスを除去できる柔らかく耐久性のある紙製マスクはエコフレンドリーなうえ、輸入マスク依存の解消にもつながると自信を見せている(CBC)。

◆今後も増えるコロナごみ 責任を持って廃棄を
 フォーブス誌は、コロナの流行で、空の旅の減少による二酸化炭素排出削減、野生動物の増加、都市の大気汚染の減少など、短期的な環境へのポジティブなインパクトはあったが、やはりパンデミック後も残る大量の「コロナごみ」が問題化すると指摘する。ユーロ・ニュースによれば、ロックダウン解除の段階にあるイタリアでは、今後も1ヶ月に10億枚のマスクと5億枚の手袋が必要になると推定されており、「コロナごみ」の増加は続きそうだ。

 英プリマス大学のリチャード・トンプソン教授は、使い捨て防護用品の使用そのものではなく、その処理方法が問題を作り出すのだとして、廃棄の仕方を人々にアドバイスする必要があるとしている。WWF(世界自然保護基金)では、たった1%のマスクが不適切に捨てられれば、1ヶ月に1000万枚のマスクが環境を汚すことになるとしている。環境保護団体グリンピースのケビン・ステアーズ氏は、環境を守るため、防護用品も使い捨てだけでなく、再利用するべきだと主張している(ユーロ・ニュース)。

Text by 山川 真智子

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