「セクシーではない」日本の石炭火力発電、新興国への輸出に世界から厳しい目

Jihara19 / Wikimedia Commons

◆石炭火力はアジアの途上国へ 日本はダブスタ?
 ガーディアン紙は、日本だけでなく中国も石炭火力削減の方向だとし、今後石炭の需要は北アジア、東アジアから南アジア、東南アジアにシフトするという資源関係者の見方を紹介している。FTによれば、世界の石炭需要は増加しており、昨年の二酸化炭素排出量もこれまでで最高となった。現在100以上の石炭火力発電所が世界で建設中だが、その多くはアジアだという。

 アジアの途上国での石炭火力プロジェクトの資金は、中国、日本、韓国からの投資が中心になるとガーディアン紙は解説する。とくに主要7ヶ国(G7)では唯一石炭火力にアクティブとされる日本に関しては、厳しい批判がある。国際環境NGOグリーンピースは、日本は国内の厳しい基準には合格しない石炭火力発電所に資金提供することで公害を輸出し、海外の公衆衛生を危険に陥れていると主張。日本の公的機関の融資を受けた発電所からの排出物は30年間で41万人の死亡者を出すとしている。発電所が作られたインド、インドネシア、ベトナム、バングラデシュといった国々では日本に比べ排出規制が弱いことが理由だという。安倍首相は「日本とともに地球を救うため行動を」と呼びかけたが、支援する国々の健康や環境への被害を止めるエネルギー技術を勧めるのが筋ではないかとし、日本のダブルスタンダードは受け入れられないとしている(環境保護、環境科学のニュースプラットフォーム『Mongabay』)。

◆世界のトレンドに逆行 日本のメガバンク孤立
 気候変動リスクにもかかわらず、石炭火力プロジェクトに投資する日本の金融機関の姿勢も懸念されている。石炭関係業界誌World Coalによれば、日本の金融機関は、インド、インドネシア、ベトナムの石炭火力に融資しており、稼働中11ヶ所、建設予定または建設中が10ヶ所となっている。

                                                                                                                 

 同誌が取り上げたロンドンに拠点を置くシンクタンクInfluenceMapの報告書によれば、現在世界では石炭火力をターゲットとした反対キャンペーンが広がり、石炭発電融資が金融機関の評判を落としてしまうことにつながるという。このトレンドにより、世界の大手金融機関が石炭発電融資を制限、またはやめる方向に向かっている。対照的に日本の3大銀行である三菱UFJ、みずほ、三井住友には、融資ポリシーの弱さが目立ち、たくさんの抜け穴を含み、「平常運転」を可能にしてしまっていると指摘されている。

 大手格付け機関などは、再エネが注目されるいま、アジアにおいて石炭火力の未来は不利であり座礁資産(市場、社会環境の激変で価値が棄損された資産)になる可能性もあるとしている。投資家の気候リスクに関するチェックも厳しくなっているなか、日本の金融機関の情報開示は不十分と見られており、世界における孤立が心配されている(World Coal)。

Text by 山川 真智子