インドの「野外排泄」撲滅計画、取り残されたスラム街 農村部では成功

AP Photo / Rajanish Kakade,

 街を掃除する映画スターの動画を使った集中的なマーケティングに、巨額の資金が投入された。モディ首相は2014年にこの計画を開始。デリー中心部にあるカースト最下層のダリット居住区で警察署の中庭を掃除する姿を報道陣に披露した。

 スワッチ・バーラトのシンボルであるガンジーの特徴的なワイヤーフレームの眼鏡が、バス停の脇や新設された公衆トイレ、そして巨大な看板にあしらわれ、街の風景に溶け込んでいる。

 しかし、タイモアナガーの住民によると、簡易トイレと洗面台の入口に最近掲示されたスワッチ・バーラトの広告以外は、計画の成果はほとんどないという。

 夫と4人の子どもたちと暮らすメイドのサプナさんにとって、この簡易トイレは往々にして薄暗く、不潔で、使用料はひとり5ルピーまたは7セントと高い。

「大勢でひとつのトイレを使うので、あっという間に病気が流行るのです」と話すサプナさん。一家が暮らすたった1部屋の小屋にはハエや蚊が飛び交っている。トイレの使用料と薬代が一家の1ヶ月の生活費13,000ルピー(179ドル)を圧迫する。

 タイモアナガーの子どもと女性は今でも、何年も前に取り壊された公衆トイレの跡地で用を足している。住民はゴミに埋め尽くされた近所の運河から釣り上げた再利用できる品物をここで保管、選別している。

 この地域に30年以上暮らしているサモサ売りのラジャラム・カマトさんは、彼の家のようにトイレがある世帯は4軒に1軒くらいだろうと話す。カマトさんによると、政府が敷設した下水道によって汚物が運河に運ばれるが、異臭を放つ運河を掃除するものは誰もいないという。

 タイモアナガーをはじめ、南デリー行政自治体が「不法」とみなす地域にどれだけの人が暮らしているかは知る由もない。

Text by AP

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