太平洋の「ごみ大陸」回収プロジェクト開始 NGO「5年以内に半分にする」
太平洋の中心部、カリフォルニアとハワイの間に浮かぶ世界最大規模の「ごみの大陸(太平洋ごみベルト)」を清掃しようと、浮遊しているプラスチックごみを回収する装置がエンジニアによって配置されている。
長さ600mの浮動式フェンスが、サンフランシスコから「太平洋ごみベルト」に向けて曳航されている。この「ごみの島」はテキサス州の2倍の面積を有する。
装置は、オランダ出身の24歳の発明家ボイヤン・スラット氏が設立したNGO団体「オーシャン・クリーンアップ」によって製作された。スラット氏は16歳の時、地中海でスキューバダイビングをしたところ、魚よりもプラスチックごみが多く目につき、海を清掃することに信念を抱くようになったという。
「プラスチックは勝手にどこかへ消えていくものではなく、ずっとそこにあり続けるもの。今こそが行動を起こす時なのだ」とスラット氏は言う。同団体の研究者たちは、1960~1970年代からごみ地帯に浮いているプラスチックを見つけたという。
浮揚力をもつU字型プラスチック製フェンスは、深さ3m長のカーテンを備え、まるで海岸線のような役割を担う。科学者たちの推定によると1.8兆個のプラスチック片がその渦の中を漂流しており、その一部を捕らえながらも、海洋生物は装置の下を安全に泳ぐことができる。
スラット氏によると、ソーラーパワーライトやカメラ、センサー、衛星アンテナが取り付けられ、清掃装置はその位置を常時通信する。そして、回収したプラスチックは数ヵ月毎に支援船によって引き上げられ、リサイクル処理が行われる陸地に向けて搬送される。
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