弁護士を雇うトランプ氏の弁護士たち 「MAGA」が新しい意味を帯びる
◆ジュリアーニ氏は虚偽証言で捜査対象に
その後、トランプ氏の専属弁護士になったのが元ニューヨーク市長のルディ・ジュリアーニ氏だ。2人はニューヨーク出身ということもあり長年友人同士だったが、トランプ氏が2020年の大統領選で敗北した後、選挙結果について数々の訴訟を起こした際に、トランプ氏弁護団を率いたのがジュリアーニ氏である。ジュリアーニ氏は「2020年の大統領選で大規模な選挙違反が行われた」という嘘を繰り返したが、法廷ではほぼすべての訴訟を退けられて惨敗。NBCニュースによると、その後2021年6月にはニューヨーク州で弁護士資格停止処分を受け、現在はジョージア州議会で虚偽の証言をしたことについて同州で捜査対象になっている。ジュリアーニ氏は1月6日事件の前にもトランプ支持者を煽る発言をしており、今後もさまざまな罪に問われる可能性がある。
また大統領選のトランプ弁護団のシドニー・パウエル氏は投票機器会社に訴えられたほか、1月6日事件ではジョン・イーストマン氏も捜査対象となっている。
◆司法省を政治利用した疑いも
トランプ氏在任中に司法長官を務めた前出のウィリアム・バー氏は、在任中にアメリカ政府の司法長官としてではなく、トランプ氏の専属弁護士かと疑われる言動が目立った。それが顕著に表れたのがトランプ氏のロシア疑惑捜査の際である。米公共ラジオNPRによると、連邦控訴裁判所は8月、当時司法長官だったバー氏がロシア疑惑捜査に関するメモの一部を意図的に公表しなかったのは不当という判断を下している。
またCNNによると、ニューヨーク州マンハッタン地区の前連邦地方検事ジェフリー・バーマン氏は9月、トランプ氏が在任中に司法省を政治利用し、同氏に圧力をかけていたことを暴露。政敵を訴追したり、トランプ氏関係者の罪を軽くすることを拒んだため、バーマン氏は後にトランプ氏に解雇される結果となった。この件にもバー前司法長官が絡んでいた。記事によると、この件についてはすでに上院司法委員会で調査が行われることになっているという。バー氏はトランプ氏が大統領選に敗北した後に突然辞職したが、今後司法長官在任中の違法行為が次々と明るみに出ることは間違いなさそうだ。