ワクチン未接種者への制限強めるフランス、カナダ 大統領が「挑発」も

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◆カナダの新対策の効果とは
 カナダの人口の2割強を占めるケベック州では、1月18日から大麻(cannabis)ショップと酒屋での購入にワクチン接種証明を必要とする新たなルールを適用開始予定。カナダのワクチン接種状況は、フランスとほぼ同様で、人口の77%がワクチン接種完了、12歳以上でみると88%が完了。5〜11歳の子供の約半数が少なくとも1回のワクチン接種を完了している。同州では、すでに、医療機関、劇場、バー、屋内スポーツ施設、公演会場の入場に際しての、ワクチン証明書提示が求められている。また、夜10時から朝5時までの外出制限も導入されている。

 しかし、コロナウイルスの感染者数は急増し、医療機関の圧迫が予測されるため、新たなルール導入が発表された。現在、入院患者の過半数がワクチン未接種の人々であるため、新ルールは人口全体でみると少数であるワクチン未接種者に向けたものだ。ルール導入に先駆けて、ケベック州では一回目のワクチン接種予約数が急増した。新ルール導入が発表された1月6日直後、1日の平均接種予約数は1500件から6000件へと4倍に増えたとのことだ。

 引き続き、コロナウイルスとの共存が予測されるなか、各国におけるワクチン接種義務化に関する新たなルールやインセンティブの導入は、継続的な議題となりそうだ。

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Text by MAKI NAKATA