「EUが一時停止」 マクロン仏大統領コロナ感染の余波

Charles Platiau / Pool via AP

◆周辺国首脳陣への影響
 マクロン仏大統領の新型コロナウイルス感染の影響は、国内に留まらず、他国にも波及している。ちょうど1週間前の12月10日から11日にかけて、ブリュッセルでは欧州連合首脳会議が開かれていた。CO2削減問題や、トルコへの制裁問題など多くの議題が取り上げられ、ポーランドとハンガリーの拒否権発動により暗礁に乗り上げていたコロナ以後の復興計画の予算が承認されるなど、歴史的進展が見られた。しかし、その分議論は白熱し、多くの少人数での会合が開かれた期間でもあった(ル・ポワン誌、12/17)。

 16日深夜に発症したマクロン仏大統領が1週間前にすでに感染していたかどうかは定かではないが、もしすでに感染していたとすれば、会議に同席した各国首脳にも接触者とみなされるものがいることになる。ル・ポワン誌によれば、欧州連合理事会のシャルル・ミシェル議長は、欧州各国の首脳に検査を呼びかけることにしているという。ミシェル議長自身も、接触者とはみなされないながらも、念のため自己隔離に身を置く予定だ。

 一方、12月14日にパリでマクロン大統領と会見したスペインのサンチェス首相も17日、12月24日まで自己隔離に入ると発表した。12月16日にマクロン大統領と会見の場を持ったポルトガルのコスタ首相や、ルクセンブルグのベッテル首相も、予防的自己隔離を発表している(ル・モンド紙、12/17)。

◆感染したのが欧州連合会議?!
 欧州諸国首脳がマクロン仏大統領からの感染を懸念する一方で、フランスのベラン保健相は17日、フランス5の番組内で、欧州連合会議でマクロン大統領が新型コロナに感染した可能性を示唆している(フランス・アンフォ、12/17)。その真偽は確かめようがないが、ブリュッセルで感染したにせよ、それ以前に感染していたにせよ、EU会議出席者に感染の恐れがあることに変わりはない。マクロン仏大統領の感染判明で、「欧州連合は一時的に停止状態」に置かれた形だ(ル・ポワン誌)。

 振り返ってみれば、これまでに新型コロナに感染した首脳級の人物は、イギリスのジョンソン首相とチャールズ皇太子、モナコ公国のアルベール2世公、ブラジルのボルソナロ大統領、アメリカのトランプ大統領、ポーランドのドゥダ大統領、ブルガリアのボリソフ首相、アルジェリアのテブン大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領と多数である。なかには70代も含まれるが、いずれも幸い回復している。現在42歳のマクロン大統領も軽症で済むことを願いたい。ちなみに同大統領の誕生日は12月21日と自己隔離中。さぞ静かな誕生日となることだろう。

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Text by 冠ゆき

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