新型肺炎で各国が入国制限、中国便キャンセル トランジット対策が課題

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◆一つの中国、台湾航空会社にとばっちり
 イタリアは中国本土、香港、マカオ、台湾からのフライトを4月28日まですべて停止するとした。現在WHOは、中国を「非常に危険」のカテゴリーに入れている。これを受けて、中国の一部と見なされている台湾の航空会社までがその対象となった。

 台湾政府は、中国では1万4000人以上の感染者が出ているが、台湾では10人しか報告されていないこと、また台湾は中国とはまったく別の公衆衛生と航空会社の管理システムをとっていることを強調。WHOはこの単純な事実を理解していないと訴え、方針撤回を求めている。

 ロイターによれば、台湾の外交官は台湾便が飛ぶ世界各地で、WHOの間違った対応が航空機の運航に影響するべきではないと説明に回っている。ちなみにベトナムもイタリアと同じ措置を取ろうとしたが、台湾の要請を受けて数時間後に撤回している。

◆直行便だけで大丈夫、トランジット対策は手薄
 いまのところ、各国が止めているのは直行便だが、入国せず乗り継ぎ便を利用する旅客への対応を発表しているのはシンガポールぐらいのようだ。フォーブス誌によれば、2016年の英クランフィールド大学の研究では、米中間を旅行する人の20%が直行便ではなく乗り継ぎ便を利用しており、乗り換え地としてもっとも多かったのが、香港、ソウル、東京だったという。

 日本政府はWHOの緊急事態宣言を踏まえ、過去2週間以内に中国湖北省での滞在歴を持つ人、湖北省発行の中国旅券を持つ人の入国を拒否している。しかし、日本の空港を通過するトランジット客への対応は発表していない。アメリカへの直行便が減れば、日本経由でアメリカに帰る人も増えるだろう。その場合、乗り換え客を通じて感染が広がる可能性もある。日本に限らず各国と航空会社は協力し、空港での感染防止を考える必要があるだろう。

Text by 山川 真智子