トランプ氏に政治生命最大の危機 政敵潰しを外国政府に依頼

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 ロシア共謀疑惑捜査をなんとか切り抜けたかと思われた矢先、ドナルド・トランプ米大統領に就任以来最大の危機が訪れている。皮肉なことにそれはロシアではなく、隣国でロシアと敵対するウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とトランプ氏との電話会談に関する疑惑が原因である。

◆トランプ氏が政敵の捜査を外国政府に依頼
 その疑惑とは、トランプ氏がゼレンスキー大統領に、自分の政敵であるジョセフ(ジョー)・バイデン前副大統領に関する捜査を、ウクライナに対する軍事援助費を盾にして依頼したというものだ。 CNNが報じたウクライナ問題のタイムラインによると、トランプ氏がゼレンスキー大統領と電話会談したのは7月25日。その後、内部通報者がこの電話会談の内容について8月12日に情報監察官に苦情を提出した。

                                                                                                                 

 同タイムラインによると、8月26日は情報監察官が苦情をジョセフ・マグワイア国家情報長官代行に提出しているが、マグワイア国家情報長官代行はこれを9月2日の締め切り日になっても米議会に提出しなかったため、「緊急の懸念」を感じた情報監察官が同9日、下院情報委員会の委員長を務めるアダム・シフ下院議員(民主党、カリフォルニア州選出)に電話会談の内容について報告し、情報委員会による調査が始まった。この後同19日にはワシントン・ポストとニューヨーク・タイムズが告発の内容について報道。同24日にはナンシー・ペロシ下院議長がトランプ大統領の弾劾尋問を正式に開始することを公表したという経緯だ。

Text by 相馬佳