5月の欧州議会選、ヨーロッパの政局がひっくり返る可能性

AP Photo / Pablo Gorondi

 欧州委員会のジャン=クロード・ユンケル委員長は、ハンガリーのオルバン・ヴィクトル首相から移民政策に対する攻撃を受けて、驚きのあまり「目を疑うようなものを読んだ」と公然と不満を述べた。その後、オルバン首相の所属政党が悪意ある選挙ポスターを使用したキャンペーンによってユンケル委員長を標的にした際、同氏は再び唖然として「嘘に対して対処することはできない」と語っている。

 両氏は互いに対立する政党に属しているのだろうか。そうではない。同じ欧州人民党(EPP)のキリスト教民主主義政党グループに属しているのだ。欧州議会で最大派閥を形成し、5月のEU選挙では理論上互いに協調して戦うことが期待されている。

 しかし実際には、27ヶ国の5億人近い人々に影響力を持ち、民主主義を実践する重要な機会である欧州議会において、この「同じ穴のムジナ」同士の争いは話題の中心となっている。5月23日~26日に実施される欧州議会選挙は、戦後のヨーロッパ政局における転換点となりかねない。

                                                                                                                 

 伝統的に政治的な影響力を誇ってきたグループのいくつかが崩れ去り、過激派やポピュリスト政党が力を増し、欧州の集票組織に混乱を招くだろう。

 ゲント大学でヨーロッパ政治を研究するヘンドリック・ボス教授は、雲行きの怪しい選挙予想について「EU選挙でこのような事態を目にしたことはありません」と言う。

 欧州議会選挙は、27の加盟国による国民投票で行われる。共通のイデオロギーを持つ各国の政党がEU内で団結し、中道右派の欧州人民党(EPP)グループ、中道左派の社会民主進歩同盟(S&D)グループ、リベラルで経済活動を重視する欧州自由民主同盟(ALDE)グループなどに分かれている。

 過去何年間もの間、主要な政治グループは基盤を拡大することを目的に、特定のグループに所属していない国内の政党を派閥に加えることに注力していた。新しく参加した政党が彼らの主義主張にそれほど合致していなくても、欧州議会内での議席数を増やすことができた。

Text by AP