自由の女神の2倍の182m、インドに世界一高い「統一の像」 隠された政治的意図とは

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 安倍政権下で外交的な親密度が増し、また、ビジネスの面でも企業にとっては巨大市場であり、昨今、我が国にとって無関心でいられない国となっているインド。そのインドに、実に自由の女神の2倍という、182mにもなる世界一の高さの像が建てられた。10月31日には、花火が上がり、戦闘機が舞い、ヘリコプターから薔薇の花びらが撒かれた盛大な完成記念式典が、モディ首相の出席のもと開かれた。

◆首相のお膝元に建てられた巨大像の正体
 グジャラート州に建てられたこの像の名前は「統一の像」といい、独立後、500以上もあった藩王国の多くをまとめ上げ、インドを1つの国に統一するために尽力した初代副首相のサルダール・バラブバーイー・パテルの功績を称えたもので、総工費は約4億USドル(約454億円)にものぼる。

 なぜ今頃になって独立当初の副首相の像がつくられたのか。像が設置されたグジャラート州といえば、完成式典にも出席したインドの現首相ナレンドラ・モディの出身地である。モディ首相とこの巨大像の間には何か関係があるのか。

Text by Tamami Persson